草の陰に隠れて獲物を待つ。それにしても隠れようもない体の色だが、大丈夫か。表情は芝居がかって獲物を追う眼つきではある。

集中する時間が極めて短いのが猫の特徴。とにかくじっとしていない。と言うよりじっとしているのは無理。獲物を待つということを忘れて、昼寝でもするかといった体勢に。

恩であれ、なんであれ、すぐに忘れてしまうのが猫である。自分がなぜここにいるのかも忘れて、まどろんでしまった。

なにか足音がしたな。すくっと頭を上げ、耳を立てて神経を集中させる。

獲物とは関係がないことが分かると、一気に関心を失ってしまう。どうして狩りなんかしなくちゃいけないのか。そんな表情をしだした。やめようよ、こんな社会実験。そんなテレパシーが送られてきた。

飼い主の足にすりすりをして、ごろりんと寝転ぶ。これが生き続けるコツ。猫が野生の中で学んだ結論は、飼い猫になることである。
